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白い船


舞台は山陰地方の小さな漁村にある小学校。

漁師の息子が授業中に偶然見つけた、学校沖を通過する白い船。

望遠鏡やら何やらをとりだしてよく見れば、どうやらフェリーボートらしい。

ある日、校長先生がくだんの白い船が新潟と九州を結ぶ定期船であることを見つけてきた。

そこから小学生たちとフェリーの船長さんとの文通が始まった・・・というお話だ。


実際にあった話を映画化したものだそうだ。


画面に一瞬現れる驚くほど透き通った海や、小学生が踊るヤマタノオロチ退治を題材とした神楽を見ていると、山陰地方という舞台を超えて、古き良きニッポンの姿が重なってしまうのは、そんな田舎の生活を知っている中年以上の人ばかりか?


ところで、劇中で小学生がとんでもない大事件を起こしながら、なんとか事なきを得て帰ってくるエピソードがある。

心配して居ても立ってもいられない家族や隣近所の人々の元に、ずぶ濡れになって帰って来る少年を誰一人として叱らない。

それどころか、「よく頑張った」といって褒めるのだ。

まず祖父さんの中村嘉葎雄がとりあえず一発ぶちのめしてから、グッとかき抱いて「よく頑張った」という流れがスジじゃないかと思うのだが・・・。


それに対して、大滝秀治演ずる家で待っているヨボヨボの曽祖父さんが、海難事故で命を落とした自分の父親の遺影に向かって、「お前はオレの曾孫を殺す気か!」と食って掛かるその迫力は凄まじい。


小学生たちが憧れのフェリーに招待されて乗り込むのは実話とはいえ余りにもお約束どおりなのだが、子供たちを乗せたフェリーが漁村の沖を通過するときに、それを待ち構えていた親たちが見せる反応にグッと来た。

こんなに真っ直ぐに、こんなに開けっ広げに喜んでもらえるって、とっても気持ちが良いだろうな。

観ているこっちも父ちゃんたちと一緒にフェリーに向かって手を振っているようで、なんとなくちょっと得した気分になった。



白い船
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